*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
翌日、廊下ですれ違いざまに、エミコに声を掛けられた。


「ちぃちゃん……ちょっといい?」



人通りの少ない渡り廊下まで移動すると、そこで立ち止まりエミコは振り返った。


「あのさぁ……」


「うん、何?」


「ちぃちゃんて、サトシと付き合ってんの?」


「ええ! 違う違う!」


わたしは首をブンブンと横に振った。


驚いた……。

そっか。

二人でいたら、そんな風に見られちゃうんだ。


でも、なんでそんなことをエミコが……?



「それなら、いいねんけど。1つだけ忠告しとくわ」


何なの?

忠告って……なんか怖いよぉ……。


エミコは腕を組み、一呼吸置いてから口を開いた。



「アイツ……めっちゃ手、早いよ? ヤルことしか考えてないから」
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