*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~

・枯葉と恋と

放課後、オレはなんとなく中庭に足を向けた。


1年の頃、よくみんなでつるんでいたベンチがそこにはあった。


近くまで行って気付く。

既に先客がいたらしい。


サトシだ。


サトシはベンチに足だけ外に出して仰向けで寝そべっていた。


近づいていって顔を覗き込む。


眠ってるのかな……。

いつからここにいるのか、枯葉がサトシの頭や体に降りかかっていた。


「おい……風邪ひくで?」


ペチペチとサトシの頬を叩いて起こした。


「んー……」


サトシは目をこすりながら起き上がり、ベンチに座りなおした。

オレもその横に腰掛ける。


ぷっ……。

頭に枯葉が乗っかったまんまだ。

面白いから、放置。
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