*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
オレ達は散歩がてら、歩いていける地元の神社に行くことにした。

でも、さっきからなんとなく気まずい空気が流れていて、会話が続かない。

原因はオレとサトシ。

あの日以来、オレ達はなんとなくお互いを避けていた。


ケンジとヤマジはそんな様子に気付いていたんだろう……。

今日誘ってくれたのは、こいつらなりの配慮なのかもしれない。



「そういえば……。ちぃちゃん家ってこのへんやんなぁ?」


重苦しい沈黙の中、ケンジが何気なくつぶやいた。


「なぁなぁ。行ってみーへん?」


こんな夜中に、女の子の家……しかもちぃちゃんの家に行くなんて、無理に決まってる。

てか、オレとサトシの揉め事の原因は彼女にあるんだってば……。

相変わらず能天気なケンジの提案にオレはそう思った。



ところがサトシは

「行こか」と呟いた。


「は? おい……」


オレの制止も聞かず、3人はちぃちゃんの家の方へ足を進めた。



仕方がないのでオレも後をついていくことにした。

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