*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「シィ君……。どうしたん? 忘れもの?」
「うん」
シィ君は教室に入り、わたしの横にやってくると、スケッチブックを覗き込んだ。
「教室、描いてたんや」
「うん。記念になるかなって思って」
「そっか。オレ、ちぃちゃんは美大に進むんかと思ってた」
そう言いながらシィ君は、わたしの隣の席の机の上に座った。
「まさかー。そんな才能ないもん」
わたしは地元の大学の文学部を希望している。
「才能とかってオレよくわからんけど……。ちぃちゃんの描く絵、好きやねん」
「え? ほんま? ありがと……」
「うん。なんかあったかいっていうか。ほのぼのっていうか……。ちぃちゃんそのものって感じがする」
褒めてくれてるんだよね。
なんか照れちゃうなぁ……。
「そう言えば……あそこ行った?」
「え? あそこ?」
「うん。安佐川。前に絵、描いてたやん? あん時、蛍、見たことないって言ってたやろ?あれから見にいった?」
シィ君のその言葉に驚いていた。
あれは1年以上も前の美術室での何気ない会話だった。
シィ君、覚えてくれてたんだ……。
「うん」
シィ君は教室に入り、わたしの横にやってくると、スケッチブックを覗き込んだ。
「教室、描いてたんや」
「うん。記念になるかなって思って」
「そっか。オレ、ちぃちゃんは美大に進むんかと思ってた」
そう言いながらシィ君は、わたしの隣の席の机の上に座った。
「まさかー。そんな才能ないもん」
わたしは地元の大学の文学部を希望している。
「才能とかってオレよくわからんけど……。ちぃちゃんの描く絵、好きやねん」
「え? ほんま? ありがと……」
「うん。なんかあったかいっていうか。ほのぼのっていうか……。ちぃちゃんそのものって感じがする」
褒めてくれてるんだよね。
なんか照れちゃうなぁ……。
「そう言えば……あそこ行った?」
「え? あそこ?」
「うん。安佐川。前に絵、描いてたやん? あん時、蛍、見たことないって言ってたやろ?あれから見にいった?」
シィ君のその言葉に驚いていた。
あれは1年以上も前の美術室での何気ない会話だった。
シィ君、覚えてくれてたんだ……。