*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
それから数日後のこと。
朝、登校して教室に入ると、ユカリちゃんの声が耳に入った。
シィ君は自分の席についていて、その前にユカリちゃんが立っている。
ユカリちゃんがシィ君に会いにうちのクラスにやって来るのは、珍しいことじゃない。
だけど、今日はいつもと様子が違っていた。
二人は何か揉めている……というか、一方的にユカリちゃんがシィ君に文句を言っているような感じだった。
「……勉強とわたし、どっちが大事なん?」
ユカリちゃんのそんなセリフが聞こえてきた。
シィ君は黙っている。
「も、いい……」
ユカリちゃんは、そのまま教室を飛び出して行ってしまった。
シィ君はしばらく考え込んで、それから静かに席を立ち、後を追いかけていった。
「ヤマジ君……何かあったん?」
近くにいたヤマジ君に尋ねた。
「最近シィが勉強ばっかやってるから……ユカリの相手してやれてないみたい。寂しいんじゃない?」
ユカリちゃんは年内に推薦で合格を決めたから、今は時間を持て余しているのかもしれない。
一方シィ君は、地元でも最難関の国立大を志望している。
今は追い込み時期だから、自分のことで精一杯なのかもしれない。
朝、登校して教室に入ると、ユカリちゃんの声が耳に入った。
シィ君は自分の席についていて、その前にユカリちゃんが立っている。
ユカリちゃんがシィ君に会いにうちのクラスにやって来るのは、珍しいことじゃない。
だけど、今日はいつもと様子が違っていた。
二人は何か揉めている……というか、一方的にユカリちゃんがシィ君に文句を言っているような感じだった。
「……勉強とわたし、どっちが大事なん?」
ユカリちゃんのそんなセリフが聞こえてきた。
シィ君は黙っている。
「も、いい……」
ユカリちゃんは、そのまま教室を飛び出して行ってしまった。
シィ君はしばらく考え込んで、それから静かに席を立ち、後を追いかけていった。
「ヤマジ君……何かあったん?」
近くにいたヤマジ君に尋ねた。
「最近シィが勉強ばっかやってるから……ユカリの相手してやれてないみたい。寂しいんじゃない?」
ユカリちゃんは年内に推薦で合格を決めたから、今は時間を持て余しているのかもしれない。
一方シィ君は、地元でも最難関の国立大を志望している。
今は追い込み時期だから、自分のことで精一杯なのかもしれない。