*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・交わす想い
誰も居ない教室に入った。
消化試合のようだった3学期も終わり、後は卒業式を残すのみ。
わたしは今日、第一希望の大学に合格し、担任の先生に報告しに来ていた。
久しぶりの教室は、まるで住み慣れた我が家に帰ってきたみたいに懐かしく感じる。
自分の席の机をそっと撫でたその時。
――カサッ
背後で物音がした。
誰かいるの……?
恐る恐る、教室の一番後ろの席の方へ足を進めた。
スースーと聞こえるのは寝息?
誰かの足が見える。
どうやら、イスをいくつか並べてその上で眠っているようだ。
ひょっとして……。
机の影になって寝ているその人を、ひょいと覗きこんだ。
やっぱり……。
シィ君だった。
勉強してる最中に眠っちゃったのかな……。
胸の上に乗っかったままの参考書がシィ君の寝息とシンクロして上下に動いている。
よっぽど疲れてるんだろうな……。
シィ君の目指している大学は、容易く入れるようなレベルじゃない。
きっとわたしなんかじゃ想像つかないぐらいの努力をしてるんだと思う。
消化試合のようだった3学期も終わり、後は卒業式を残すのみ。
わたしは今日、第一希望の大学に合格し、担任の先生に報告しに来ていた。
久しぶりの教室は、まるで住み慣れた我が家に帰ってきたみたいに懐かしく感じる。
自分の席の机をそっと撫でたその時。
――カサッ
背後で物音がした。
誰かいるの……?
恐る恐る、教室の一番後ろの席の方へ足を進めた。
スースーと聞こえるのは寝息?
誰かの足が見える。
どうやら、イスをいくつか並べてその上で眠っているようだ。
ひょっとして……。
机の影になって寝ているその人を、ひょいと覗きこんだ。
やっぱり……。
シィ君だった。
勉強してる最中に眠っちゃったのかな……。
胸の上に乗っかったままの参考書がシィ君の寝息とシンクロして上下に動いている。
よっぽど疲れてるんだろうな……。
シィ君の目指している大学は、容易く入れるようなレベルじゃない。
きっとわたしなんかじゃ想像つかないぐらいの努力をしてるんだと思う。