*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「あのさぁ……」
ヤマジはゆっくりと言葉を続けた。
「そうやって、誰かの為に自分の気持ちを無理に抑えたりするのって、ホントにその人の為になってんのかな? そんなの相手からしたらいい迷惑だよ」
ヤマジは誰に言っているのかわからないぐらい、オレではなくどこか遠くを見ながら話す。
「誰かの為に我慢したり、結論を先送りにしたり。けど、それってさ、自分が罪を背負うことから逃げてるだけなんじゃない? そういう優しさって、逆に誰かが傷つく期間を引き延ばすことになってしまうんじゃないかな」
ヤマジの言葉には重みがあった。
ヤマジはこの春上京する。
彼の夢に向かって、本格的に東京で音楽活動をするためだ。
その為にカナコとは離れてしまう。
こいつは普段何も言わないけど、この決断は彼なりに葛藤があった上でのことだと思う。
オレ達は完璧なんかじゃない。
誰かを傷つけて、何かを犠牲にして生きていかなきゃならないこともある。
だけどオレにはまだその覚悟ができていないんだ。
ヤマジはゆっくりと言葉を続けた。
「そうやって、誰かの為に自分の気持ちを無理に抑えたりするのって、ホントにその人の為になってんのかな? そんなの相手からしたらいい迷惑だよ」
ヤマジは誰に言っているのかわからないぐらい、オレではなくどこか遠くを見ながら話す。
「誰かの為に我慢したり、結論を先送りにしたり。けど、それってさ、自分が罪を背負うことから逃げてるだけなんじゃない? そういう優しさって、逆に誰かが傷つく期間を引き延ばすことになってしまうんじゃないかな」
ヤマジの言葉には重みがあった。
ヤマジはこの春上京する。
彼の夢に向かって、本格的に東京で音楽活動をするためだ。
その為にカナコとは離れてしまう。
こいつは普段何も言わないけど、この決断は彼なりに葛藤があった上でのことだと思う。
オレ達は完璧なんかじゃない。
誰かを傷つけて、何かを犠牲にして生きていかなきゃならないこともある。
だけどオレにはまだその覚悟ができていないんだ。