*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
アカネちゃんと一緒にアルバムを覗き込む。

ちょうどわたし達のクラスを見ていた。

シィ君がまるでこちらを見ているかのように、わたしの大好きな笑顔で微笑んでいた。


途端に涙が溢れ出した。


「ちぃちゃん……大丈夫?」


アカネちゃんがそんなわたしの様子に気付いて声をかけてくれた。


バカだ……わたし。

もう2度と会えないかもしれないのに。


そんなことに、今やっと気付いた。


『友達のままでいい』って、ずっとそう思ってた。

だけど、学校という繋がりを失ってしまったら、わたし達の間には何もなくなる。

今まではここに来ればいつでも会えた。

それが当たり前だと思っていた。

だけど、これからは違うんだ……。



わたしは“彼女”じゃないから。

理由もなく電話をしたり、会いに行ったりできないんだ……。

これが“友達”と“彼女”の違い。

そんなことに、今更気付くなんて。


もう、最後だったのに。

顔を見ることも、声を聞くこともできなかった。



シィ君……。

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