*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ヘンなサトシ君……。

ともかく、わたしはまた走り出した。

1階に着いて、また同じようにシィ君の立ち寄りそうな場所をチェックする。


どこにもいない……。

シィ君のロッカーにはまだ鍵が掛かっていた。

だから校内にはまだいるはず。

いったいどこにいるんだろう……。


携帯を取り出して、もう一度掛けなおした。


耳の横で呼び出し音が鳴る。

そして、それに応えるかのように、廊下の向こうから聴きなれた着信音が聞こえてきた。


これって……。

シィ君の携帯の着信のメロディだ。

誘われるように音のする方をたどって足を進める。


そして廊下を曲がった瞬間息をのんだ。
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