*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
ずっと誰かに言ってもらいたかった。

『そのままでいいんだよ』って。

笑顔でいても、ずっと不安だったの。

わたしが存在する意味はあるのかなって。

だけど……ちゃんとあったんだね。


わたしはシィ君から受け取ったスケッチブックをギュっと抱きしめた。

そして彼に精一杯の笑顔を向けて

「ありがと……」

聞こえるから聞こえないかぐらいの声でつぶやいた。



わたしの小さな片思い。

実ることはなかったけど……

あなたとここで過ごした3年間はわたしの大事な宝物です。


シィ君を好きだったこの気持ちは……

いつか大人になって、

他の誰かを愛したとしても


きっと一生忘れない。



ありがとうシィ君。

そして




さようなら……。

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