*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
飛び上がりそうなほど驚いて振り返ると、アカネちゃんがニコニコ笑って立っていた。
「ちぃちゃん、まだ帰らへんの?」
アカネちゃんは、同じ中学出身者であり、わたしの親友。
この高校には同じ中学の子はほとんどいない。
だから入学式の日に、アカネちゃんと同じクラスだと知った時には、本当にホッとした。
高校に入学する春休み、うちの家族は住み慣れたマンションから一戸建ての家に引っ越した。
引っ越すことは1年前から決まっていたので、わたしは家から一番近いという理由だけで、この高校を選んだ。
知り合いがほとんどいないとこへ行くのは、正直不安だった。
だけどなんとなく新しい環境で今までの自分をリセットしたかったんだ。
「うん。もうちょっと残ってく。これ、描きあげたら帰るし」
そう言いながらスケッチブックを見せると、アカネちゃんは納得したようにニッコリ微笑んで
「じゃ、先帰っとくね」
と言って背を向けて去っていった。
「ちぃちゃん、まだ帰らへんの?」
アカネちゃんは、同じ中学出身者であり、わたしの親友。
この高校には同じ中学の子はほとんどいない。
だから入学式の日に、アカネちゃんと同じクラスだと知った時には、本当にホッとした。
高校に入学する春休み、うちの家族は住み慣れたマンションから一戸建ての家に引っ越した。
引っ越すことは1年前から決まっていたので、わたしは家から一番近いという理由だけで、この高校を選んだ。
知り合いがほとんどいないとこへ行くのは、正直不安だった。
だけどなんとなく新しい環境で今までの自分をリセットしたかったんだ。
「うん。もうちょっと残ってく。これ、描きあげたら帰るし」
そう言いながらスケッチブックを見せると、アカネちゃんは納得したようにニッコリ微笑んで
「じゃ、先帰っとくね」
と言って背を向けて去っていった。