*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・寒さのせい
重い足取りで久しぶりにその場所にたどり着くと、ベンチに腰かけた。
幾重にも重なった灰色の雲は、見るからに重そうで、それはまるでオレの気分をそのまますくい上げて空に広げたようだった。
とうとう、雪まで降ってきやがった。
「さみっ……」
グルグルに巻きつけたマフラーに顔を沈めた。
ヘッドフォンからは、流行りのヒップホップが能天気なリズムで流れてくる。
ボリュームをさらに上げる。
ありとあらゆるものを遮断したい。
目に映る景色も、頭の中に棲みついた記憶も全て……。
ギュッと目を閉じる。
遠ざけようとすればするほど、昨日の出来事がまるでモノクロフイルムを映すかのように脳裏に浮かんでくる。
幾重にも重なった灰色の雲は、見るからに重そうで、それはまるでオレの気分をそのまますくい上げて空に広げたようだった。
とうとう、雪まで降ってきやがった。
「さみっ……」
グルグルに巻きつけたマフラーに顔を沈めた。
ヘッドフォンからは、流行りのヒップホップが能天気なリズムで流れてくる。
ボリュームをさらに上げる。
ありとあらゆるものを遮断したい。
目に映る景色も、頭の中に棲みついた記憶も全て……。
ギュッと目を閉じる。
遠ざけようとすればするほど、昨日の出来事がまるでモノクロフイルムを映すかのように脳裏に浮かんでくる。