*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・オレの事情-香椎直道-
今日のオレは絶不調。
思えば、朝のテレビで見た星座占いでも最下位だった気がする。
放課後の廊下をとぼとぼと歩きながら考える。
オレ、香椎直道(カシイ・ナオミチ)は、親の反対を押し切ってこの高校を受験した。
中3の夏、オレは志望高校のランクをかなり下げた。
周囲は驚き、母親と教師はヒステリックに騒いだ。
理由を聞かれても「近いから」としか答えないオレに相当イラついているようだった。
何度も話しあったが、オレの意思が変わることはなく、最終的には、単身赴任で東京に住んでいる親父が仲裁に入ってくれた。
その時出された条件は一つ。
『大学は必ず現役で国立大に行くこと』
オレはその条件を受け入れた。
なぜかオレにやたらと大きな期待を持っていた母親はそれでも納得できなかったのか、それ以来ずっと機嫌が悪い。
そしてそれは入学した今も続いているのだ。
――いい加減、機嫌直して欲しいよ。
ふっとため息ついて、廊下の先をぼんやり眺めた。
オレには親の期待を裏切ってまで、どうしてもここに来たい理由があったんだ。
「シィ、おつかれ!」
前から歩いてきたヤツに声をかけられた。
思えば、朝のテレビで見た星座占いでも最下位だった気がする。
放課後の廊下をとぼとぼと歩きながら考える。
オレ、香椎直道(カシイ・ナオミチ)は、親の反対を押し切ってこの高校を受験した。
中3の夏、オレは志望高校のランクをかなり下げた。
周囲は驚き、母親と教師はヒステリックに騒いだ。
理由を聞かれても「近いから」としか答えないオレに相当イラついているようだった。
何度も話しあったが、オレの意思が変わることはなく、最終的には、単身赴任で東京に住んでいる親父が仲裁に入ってくれた。
その時出された条件は一つ。
『大学は必ず現役で国立大に行くこと』
オレはその条件を受け入れた。
なぜかオレにやたらと大きな期待を持っていた母親はそれでも納得できなかったのか、それ以来ずっと機嫌が悪い。
そしてそれは入学した今も続いているのだ。
――いい加減、機嫌直して欲しいよ。
ふっとため息ついて、廊下の先をぼんやり眺めた。
オレには親の期待を裏切ってまで、どうしてもここに来たい理由があったんだ。
「シィ、おつかれ!」
前から歩いてきたヤツに声をかけられた。