*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
でも、もうそんなのにかまってられない。

とにかく、焼きそばパンを食わせてもらう!

やっとありつけた食事なのだ。



だけど……

チクッ……チクッ…チクッ…

視線が刺さる。

だああああああ!

だから、何なんだ?

さっきから、やたらと彼女はこちらをチラチラ見ている。

とりあえず気付かないふりして、パンをひたすら食べる。

ねぇ、オレ、キミに何かした?




ん?

つか、そもそも……。


「ボモボバベバン?」


やべっ。

顔を上げて叫んでみるものの、パンを口に入れすぎて、何言ってるのかわからない。

急いでパンを飲み込みむと、牛乳を一口すすって息を整えた。

そして、もう一度言い直す。


「この子誰なん?」


そうだよ。

いったいこの子は誰なんだ?


「同じクラスの松本千春ちゃん。ちぃちゃんやで。可愛いやろ?」


ふーん。

そうなのか……。

そう言われて、彼女の顔をじっくり見る。


うーん。

どこかで見たような気がする。
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