*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「あ。ユカリちゃん、ちょっと待ってて」
食堂の外にある自販機の前で立ち止まった。
喉が渇いていたので、冷たいお茶を買いたかったからだ。
自販機の口から取り出して立ち上がろうとした時、手が滑ってしまい、買ったばかりのお茶の缶がコロコロと転がっていってしまった。
きゃぁぁああああ……。
缶の行く末を目で追っていると、誰かの足にぶつかってようやく止まった。
「よー物落とす子やなぁ……」
その人は、しゃがみ込んでそれを拾い上げ、わたしに差し出してくれた。
コロちゃんだ。
「あっ……ありがと」
顔が火照り出す。
ペコリと頭を下げて、缶を受け取ろうとしたその時……
コロちゃんはニヤリと笑うと、わざとらしいぐらいの大きな声でこう答えた。
「いーえ! どういたしまして! “黒板消し子ちゃん”っ!」
一瞬で血の気が引いたのがわかった。
漫画なんかで顔に縦線がひいてあるのはこういう状況のことなんだな、なんて妙に納得してしまう。
食堂の外にある自販機の前で立ち止まった。
喉が渇いていたので、冷たいお茶を買いたかったからだ。
自販機の口から取り出して立ち上がろうとした時、手が滑ってしまい、買ったばかりのお茶の缶がコロコロと転がっていってしまった。
きゃぁぁああああ……。
缶の行く末を目で追っていると、誰かの足にぶつかってようやく止まった。
「よー物落とす子やなぁ……」
その人は、しゃがみ込んでそれを拾い上げ、わたしに差し出してくれた。
コロちゃんだ。
「あっ……ありがと」
顔が火照り出す。
ペコリと頭を下げて、缶を受け取ろうとしたその時……
コロちゃんはニヤリと笑うと、わざとらしいぐらいの大きな声でこう答えた。
「いーえ! どういたしまして! “黒板消し子ちゃん”っ!」
一瞬で血の気が引いたのがわかった。
漫画なんかで顔に縦線がひいてあるのはこういう状況のことなんだな、なんて妙に納得してしまう。