*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ちぃちゃん、知ってた? こいつ、1年の時のテスト結果、全部学年トップやってんで」


そうなんだ……。

アカネちゃんは入学して以来、常に2番だった。

どうしても抜けない人がいるって、いつも悔しがってた。


あれは、シィ君のことだったのかぁ。

毎日部活もやってて、成績も良いなんてすごい人なんだなぁ。

なんて思いながら、しみじみと彼を眺めた。


一方シィ君はわたし達の会話なんてまるで気にしてない様子で、相変わらず画材なんかを触ってる。


「そんなに勉強できるのに、なんでこの学校に来たん……?」


自然に湧いた疑問だった。


「そうそう。それがなぁ……。シィには、どうしてもここに来たい理由があってなぁ……」


その時突然、シィ君が口を開いた。

まるでケンジ君の言葉を遮るかのように。


「これ、ちぃちゃんの絵?」


いつの間にかシィ君はわたしの描きかけの絵の前に立っていた。


「あ。うん……」


わたしも慌てて、駆け寄る。




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