*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
だけど、最近のわたしは彼の姿を何枚も描いている。
ボールを追う姿、食堂でみんなと談笑している時の姿、焼きそばパンを頬張る姿。
わたしは瞬きをするたびに、記憶にやきつけて、後からスケッチブックに描き写していた。
――シィ君……。
急に息苦しくなって、目の奥が熱くなる。
油断したらすぐにでも涙が落ちてきそう。
こんな絵……何枚描いても一緒だ。
何も伝わらない。
伝えられない。
わたしは言葉にできないし、身動きも取れずにいる。
数ヶ月前、アカネちゃん達と恋バナをした時、
『好きな人いる?』って聞かれたわたしは、『いない』と答えた。
だって、まだあの頃は胸を締め付けられるようなこんな想いなんて知らなかったから。
もしも今、同じ質問をされたらなんて答えるだろう。
……わからない。
だけど、この心臓は、彼を想うたびにキリキリと音を立てた。
西日が差す放課後のグラウンド。
逆光に縁取られた彼の姿がまぶしくて、わたしは目を細めた。
ボールを追う姿、食堂でみんなと談笑している時の姿、焼きそばパンを頬張る姿。
わたしは瞬きをするたびに、記憶にやきつけて、後からスケッチブックに描き写していた。
――シィ君……。
急に息苦しくなって、目の奥が熱くなる。
油断したらすぐにでも涙が落ちてきそう。
こんな絵……何枚描いても一緒だ。
何も伝わらない。
伝えられない。
わたしは言葉にできないし、身動きも取れずにいる。
数ヶ月前、アカネちゃん達と恋バナをした時、
『好きな人いる?』って聞かれたわたしは、『いない』と答えた。
だって、まだあの頃は胸を締め付けられるようなこんな想いなんて知らなかったから。
もしも今、同じ質問をされたらなんて答えるだろう。
……わからない。
だけど、この心臓は、彼を想うたびにキリキリと音を立てた。
西日が差す放課後のグラウンド。
逆光に縁取られた彼の姿がまぶしくて、わたしは目を細めた。