*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
・夏雲と決意
開けっ放しの窓から、耳をつんざくような蝉の声が廊下に響く。
そんな季節がやってきていた。
「あ―――。暑ぅ……。こんな日に体力測定なんて、ありえへんよなぁ。もう、蝉煩い!」
手で顔をパタパタ仰ぎながらユカリちゃんは眉間に皺を寄せる。
たしかに。
虫の声って風情を感じることもあるけど、こんな日はその騒音のせいでさらに暑さが増す気がする。
お昼休み、わたし達は体操服姿で食堂へと向かっていた。
ユカリちゃんが言っているように、今日の体育は体力測定。
5時限目の授業に備え、わたし達はすでに着替えていた。
今からご飯を食べて、そのままグラウンドに出るつもりだったのだ。
「体操服、萌え~」
背後から聞き覚えのあるハイテンションな声がした。
ケンジ君だ。
軽くスキップしながら近づいてくる。
彼は最近、やけにテンションが高い。
彼女ができたんだって。
サトシ君の紹介で仲良くなったという、S女の女の子と付き合っている。
今も歩きながらニヤニヤ笑って、携帯を触っている。
相手はきっと彼女なんだろうな。
その時、隣を歩くユカリちゃんの携帯が音を響かせた。
そんな季節がやってきていた。
「あ―――。暑ぅ……。こんな日に体力測定なんて、ありえへんよなぁ。もう、蝉煩い!」
手で顔をパタパタ仰ぎながらユカリちゃんは眉間に皺を寄せる。
たしかに。
虫の声って風情を感じることもあるけど、こんな日はその騒音のせいでさらに暑さが増す気がする。
お昼休み、わたし達は体操服姿で食堂へと向かっていた。
ユカリちゃんが言っているように、今日の体育は体力測定。
5時限目の授業に備え、わたし達はすでに着替えていた。
今からご飯を食べて、そのままグラウンドに出るつもりだったのだ。
「体操服、萌え~」
背後から聞き覚えのあるハイテンションな声がした。
ケンジ君だ。
軽くスキップしながら近づいてくる。
彼は最近、やけにテンションが高い。
彼女ができたんだって。
サトシ君の紹介で仲良くなったという、S女の女の子と付き合っている。
今も歩きながらニヤニヤ笑って、携帯を触っている。
相手はきっと彼女なんだろうな。
その時、隣を歩くユカリちゃんの携帯が音を響かせた。