*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
食事を終えたユカリちゃんが席を立った。
「ちいちゃん、急がな! そろそろ、行こう!」
「あ。待って」
わたしはまだ器の中に残っていた最後のうどんをすすった。
トレーを持って立ち上がり、ユカリちゃんの後に続いて通路を進もうとしたその時。
――ガチャンッ!
「うわっ! ごめんっ!」
「きゃっ」
タイミングが悪かった。
隣に座っていたシィ君がたまたま手を上げ、トレーに接触した。
その衝撃で器は倒れ、まだたくさん残っていたつゆが、わたしの体操服にかかってしまった。
体操服は上下ともビチャビチャだ。
「ちぃちゃん! 大丈夫?」
すぐにユカリちゃんが駆け寄ってきた。
「うん。でも、どうしよ……。これ……。」
うどんのつゆで茶色く変色したTシャツを引っ張った。
「誰かに借りるしかないよな? カナコ、体操服持ってる?」
「ごめん、今日は持ってないわ」
カナコちゃんが申し訳なさそうに顔を横に振る。
どうしよ……。
今から他のクラスをまわって体操服を持ってる子を探す時間なんてないし……。
きっとみんなもそう思っていた、その時。
「ちいちゃん、急がな! そろそろ、行こう!」
「あ。待って」
わたしはまだ器の中に残っていた最後のうどんをすすった。
トレーを持って立ち上がり、ユカリちゃんの後に続いて通路を進もうとしたその時。
――ガチャンッ!
「うわっ! ごめんっ!」
「きゃっ」
タイミングが悪かった。
隣に座っていたシィ君がたまたま手を上げ、トレーに接触した。
その衝撃で器は倒れ、まだたくさん残っていたつゆが、わたしの体操服にかかってしまった。
体操服は上下ともビチャビチャだ。
「ちぃちゃん! 大丈夫?」
すぐにユカリちゃんが駆け寄ってきた。
「うん。でも、どうしよ……。これ……。」
うどんのつゆで茶色く変色したTシャツを引っ張った。
「誰かに借りるしかないよな? カナコ、体操服持ってる?」
「ごめん、今日は持ってないわ」
カナコちゃんが申し訳なさそうに顔を横に振る。
どうしよ……。
今から他のクラスをまわって体操服を持ってる子を探す時間なんてないし……。
きっとみんなもそう思っていた、その時。