*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
運動は苦手。
だから、体力測定なんて嫌い。
走ったり、投げたり、飛んだり。
ただでさえ運動する姿がサマにならないのに、このブカブカな体操服のために、いつも以上に格好悪さで目立ってしまった。
「ちぃちゃ~ん! 頑張れー!」
授業中だと言うのに、ケンジ君が窓から身を乗り出して、大声で叫ぶ声が聞こえた。
さらにその教室からは、先生がケンジ君を怒る声まで響いている。
みんながクスクス笑っている。
はぁ……恥ずかしいよぉ。
最後の種目は遠投。
順番待ちで並んでいる間、できるだけ小さく丸まって自分の体を抱え込むように体育座りをしていた。
膝の上で組んだ腕に顔を沈めると、体操服から、いつものシィ君の香りがした。
この服をいつもシィ君が着てるんだってことに今更ながら気付き、急にドキドキしてきた。
どうしよ……。
顔が火照って、赤くなっていくのがわかる。
「ちぃちゃん、大丈夫?」
ふいに肩を軽く叩かれて、顔を上げると、ユカリちゃんが横に座ってきた。
ユカリちゃんはさっきから、走っても飛んでも1番で、わたしとは違った意味で目立っている。
「なぁ、なぁ……。ちぃちゃん?」
ユカリちゃんは、他の誰にも聞こえないような小声で話しかけてきた。
「ん?」
「ちぃちゃんって……ナオのこと……」
だから、体力測定なんて嫌い。
走ったり、投げたり、飛んだり。
ただでさえ運動する姿がサマにならないのに、このブカブカな体操服のために、いつも以上に格好悪さで目立ってしまった。
「ちぃちゃ~ん! 頑張れー!」
授業中だと言うのに、ケンジ君が窓から身を乗り出して、大声で叫ぶ声が聞こえた。
さらにその教室からは、先生がケンジ君を怒る声まで響いている。
みんながクスクス笑っている。
はぁ……恥ずかしいよぉ。
最後の種目は遠投。
順番待ちで並んでいる間、できるだけ小さく丸まって自分の体を抱え込むように体育座りをしていた。
膝の上で組んだ腕に顔を沈めると、体操服から、いつものシィ君の香りがした。
この服をいつもシィ君が着てるんだってことに今更ながら気付き、急にドキドキしてきた。
どうしよ……。
顔が火照って、赤くなっていくのがわかる。
「ちぃちゃん、大丈夫?」
ふいに肩を軽く叩かれて、顔を上げると、ユカリちゃんが横に座ってきた。
ユカリちゃんはさっきから、走っても飛んでも1番で、わたしとは違った意味で目立っている。
「なぁ、なぁ……。ちぃちゃん?」
ユカリちゃんは、他の誰にも聞こえないような小声で話しかけてきた。
「ん?」
「ちぃちゃんって……ナオのこと……」