*スケッチブック* ～初めて知った恋の色～

みんなと別れた後、わたしはひとり、美術室へ向かった。

今日は部活が休みだから、そこには誰もいなかった。


「小悪魔かぁ……どう考えてもわたしのキャラじゃないよなぁ」


なんて独り言を呟きながら、ため息が漏れる。


だあああああ！

もう、いつまでうじうじ考えてるんだ！

湿っぽいのなし！

前向きに頑張ろうって決めたとこじゃない！


ヨシッ！

鞄から鏡を出して、覗き込む。

ロングヘアー……って、どのぐらいの長さなのかなぁ。

入学した頃、顎下ぐらいだったわたしの髪は、この１年でわりと伸びた。

今は肩下７～８センチってとこ。

でも、これじゃあまだロングとは言えないよね。


うん！

伸ばそ！

シィ君が好きだと言ったロングヘア。

ちょっとでも彼の好みに近づきたいから……。

うんうん。

前向き。

わたし前向きじゃない！

できることから頑張っていこう。



それと……。

やりたいことがもう一つあるんだ。