俺様副社長に捕まりました。
いつの間にか彼の車の助手席に座らされている。
私が何か言おうものなら
「話は後でまとめて聞く。もうこれ以上何も言うな!」というだけで
何も喋らせてくれない。

だったらさっきの私の勇気はなんだったんだろう・・・・
ここ数ヶ月水沢さんの事を忘れたことはなかった。
会いたい・・・でも会えない・・・会っちゃいけないを呪文のように繰り返していた。
もちろんそれと同時に
忘れたい・・・でも忘れられない・・・忘れなくちゃいけないも同時進行だった。
水沢さんの前から姿を消して心機一転のつもりが
全くスッキリも気持ちの上での心機一転もできなかった。
その理由は自分自身にあることもわかったし
どう考えても釣り合いが取れていないこともわかった

私の中のドロドロした卑怯な部分をさらけ出したのに
なんで手を差し伸べてくるのよ!
おまけに
怒られて笑われて乗せられて・・・・

だけど一緒にいられることを嬉しいと思う自分もいて
自分自身がどうしたいのかどうなりたいのか本当のところわからなくなっている。

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