俺様副社長に捕まりました。

振り向いて驚く私を見て水沢さんは少し恥ずかしそうに視線をそらした。
「いつからいたの？」
「ほんのちょっと前・・・起きたら桃の姿がなくて・・・また俺の前から
姿を消したのかと思ったけど書斎のドアが全開だったから・・・」
私がまだこの家にいた事の安堵感とメッセージを見られて
ちょっとバツの悪そうな・・・とにかくあまり見せない表情を私に向けていた。
「ずるいよ・・・・」
私はノートを閉じると水沢さんに背を向け机の上にノートを置いた
「えっ？」
まるでラブレターの様なメッセージに
単なる家政婦に宛てた内容ではないことはわかってる。

でもこれだとずっと家政婦のままでいいみたいでなんだか面白くない。
「この先も私はずっと水沢さんの家政婦でいいんですか？」
「桃花？」
「家政婦として水沢さんのそばにいればいいんですか？」
「ち・・違う！そういう意味じゃなくて・・・・俺は桃花じゃなきゃダメたって
言いたかった・・・っておいうか今度は桃花の番だろう？片付けが終わったら
ちゃんと言うっていったろ？」
水沢さんが私の肩を掴み無理やり自分の方へ向かせた。
「で？桃花はの気持ちは？」
ジッと見つめる瞳に吸い込まれそうになる。
「私は・・・・・」
唇が小刻みに震え次に出てくる言葉がすっと出てこない。
だって私が自分の思いを口に出してしまったら
もう気持ちを抑えられる自信がないから・・・・
だけどそんな私の気持ちを水沢さんは全てわかっているかのように
もう一度だけ私の名前を呼んだ。