俺様副社長に捕まりました。
私は小さく深呼吸をすると水沢さんの目を見た。

「私は・・・・水沢さんの家政婦なんて嫌!」
「もも?」
「わがまま言っていいって言ったからいうんだから・・・
私は・・・料理だって洗濯だって・・掃除だって
いつだってやる。だけど・・・それは家政婦としてじゃなく・・・・
水沢さんの彼女としてしてあげたいの!」
もっと可愛い言い方したかったのに勢い余って凄い上から発言。
しかも緊張のあまり私の顔は茹でたタコみたいに真っ赤で
言ってることと態度がちぐはぐ・・・・素直に好きって言えばいいのに・・・
恥ずかしさのあまり下を向く私に水沢さんは・・・・
「ばーか、俺の中ではお前は彼女なんだよ」
「え?」
その瞬間ぐっと抱きしめられた
「お前は俺のこと副社長だとか手が届かない相手とか思って勝手に身を引いたんだろうけど
お前は俺の彼女で・・・お前にとって俺は彼氏なんだよ。
どうせわがまま言うなら家政婦じゃなくてお嫁さんにしてぐらいのわがまま言えよ」
「えええ?!」
好きな気持ちを諦めきれないからって思いで彼女にしてほしいって言ったのに
いきなりお嫁さんにだなんて
そんなだいそれたこと言えるわけないじゃん。
「嫌か?」
水沢さんが私の顔を覗き込むように見つめた。
嫌か?って優しそうに言ったけど目は拒否など出来ないほど鋭くて
ここまで来たらもう相手がどんなに凄い人でも
腹をくくるしかない。

だって・・・またここで拒否って彼の前から姿を消しても水沢さんはきっと私を探し出すだろうし
私も水沢の事を諦めることはきっとできのだから・・・
だから私は、首を横に振った。
「嫌じゃない。だけど・・・・少しは恋人としての時間もほしい・・・・」
これくらいのわがまま許してくれるよね。
水沢さんはクシャクシャな笑顔でもう一度強く私を抱きしめた。
「もう・・・・絶対に離さない・・・・」

それは私も同じ気持ちだよ
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