俺様副社長に捕まりました。
車で移動すること10分、着いたのは一軒の居酒屋。
木造2階建ての建物は築年数30年以上で
見た感じ、客層は昔からの馴染み客といった感じだった。
車から降りると私に視線を向けた。
「ここなら人目にもつかないだろ?」
私はうんと頷いた。
店に入ると予想通り若い人はわずかであとは年配の常連さんといった感じだった。
お店のママさんは水沢さん見ると「ご用意してあるわよ。尊君」と言って奥の個室に案内してくれた。
私と水沢さん、そして向かいの席に拓海さんが座った。
私はすぐに本題に入った。
「里沙さんのお父様が山岡物産の安藤専務だということを先日知りました。
私、今は家政婦やってますが、その前は山岡物産の秘書課で秘書として働いてました」
拓海さんは驚いたように目を見開いた。
「驚きますよね。秘書から家政婦なんですから・・・・それはともかく安藤専務の秘書ではありませんでしたが
安藤専務の事はよく存じております。役員でありながらいつも社員とのコミュニケーションを
大事にして・・・社員には人気のある方なんですよ」
「え?・・・・そう・・なんですか?」
きっと拓海さんにはそういった部分を見せたりしなかったのだろう。
驚きを隠せなかった。
そんな拓海さんに水沢さんは・・・
「仕事に対しては厳しい人だよ。俺・・・副社長って肩書き背負ってるけど・・・・元々は
安藤専務の下で仕事の事を教わったからね・・・でもさ・・・不器用な人でもあるよ。
桃から聞いたけど・・・・奥さんに内緒で安藤専務に子供の写真を定期的に送っているんだよね」
拓海さんは苦笑いしながら頷いた。
写真を送ってもで安藤専務からなにか連絡があるわけではなかったからだ。
「一度も連絡はないんですけどね・・・・最初は凄く軽く考えていたんです。今は反対されて・・・
里沙が勘当されてても
孫の顔を見ればそんなことどうでもよくなるんじゃないかって・・・・でも現実は
そんなに甘くないんですよね・・・・」
項垂れながら半ば諦めにも似た表情で拓海さんは手に持っていたグラスのビールを一気に
飲み干した。
木造2階建ての建物は築年数30年以上で
見た感じ、客層は昔からの馴染み客といった感じだった。
車から降りると私に視線を向けた。
「ここなら人目にもつかないだろ?」
私はうんと頷いた。
店に入ると予想通り若い人はわずかであとは年配の常連さんといった感じだった。
お店のママさんは水沢さん見ると「ご用意してあるわよ。尊君」と言って奥の個室に案内してくれた。
私と水沢さん、そして向かいの席に拓海さんが座った。
私はすぐに本題に入った。
「里沙さんのお父様が山岡物産の安藤専務だということを先日知りました。
私、今は家政婦やってますが、その前は山岡物産の秘書課で秘書として働いてました」
拓海さんは驚いたように目を見開いた。
「驚きますよね。秘書から家政婦なんですから・・・・それはともかく安藤専務の秘書ではありませんでしたが
安藤専務の事はよく存じております。役員でありながらいつも社員とのコミュニケーションを
大事にして・・・社員には人気のある方なんですよ」
「え?・・・・そう・・なんですか?」
きっと拓海さんにはそういった部分を見せたりしなかったのだろう。
驚きを隠せなかった。
そんな拓海さんに水沢さんは・・・
「仕事に対しては厳しい人だよ。俺・・・副社長って肩書き背負ってるけど・・・・元々は
安藤専務の下で仕事の事を教わったからね・・・でもさ・・・不器用な人でもあるよ。
桃から聞いたけど・・・・奥さんに内緒で安藤専務に子供の写真を定期的に送っているんだよね」
拓海さんは苦笑いしながら頷いた。
写真を送ってもで安藤専務からなにか連絡があるわけではなかったからだ。
「一度も連絡はないんですけどね・・・・最初は凄く軽く考えていたんです。今は反対されて・・・
里沙が勘当されてても
孫の顔を見ればそんなことどうでもよくなるんじゃないかって・・・・でも現実は
そんなに甘くないんですよね・・・・」
項垂れながら半ば諦めにも似た表情で拓海さんは手に持っていたグラスのビールを一気に
飲み干した。