俺様副社長に捕まりました。
安藤専務は再びしゃがみベビーカーで眠っている双子の亜美ちゃんと真美ちゃんを
見つめた。
すると里沙さんの方から
「亜美は・・・身体が弱くて・・・よく病院に連れて行くの。家政婦お願いしたのは
子供達のお世話のため・・・・彼女がいてくれるから・・・子供をおいて亜美を病院に
連れて行けるの」
「そうか・・・・何も知らなくて悪かった・・・・」
「おじいちゃん!お腹減ったご飯食べよ~~よ」
輝くんが安藤専務にしがみつくと安藤専務の顔はすっかりおじいちゃんの顔になってて
里沙さんの強ばっていた表情も次第にいつもの笑顔に変わった。


「桃・・・」
水沢さんが私の肩に手を乗せた。見上げるように視線を向けると
「もう・・・俺たちの役目は終わったようだな」
「そうだね・・・・逆に私たちはお邪魔みたいね」
水沢さんは頷くと乗せていた手を下ろした。

「安藤専務・・・そして拓海さんと里沙さん。僕たちは失礼します。こちらの部屋はお使いください」
「え?だが・・副社長・・・・ここは」
「大丈夫。皆さんがゆっくりできるようにと予約したのでお使いください。
あと専務、よかったら奥様をお呼びなってはどうですか?皆さんが
泊まれるだけどベッドは揃ってますよ。それに奥様だってお孫さんと会いたいんじゃないんですか?」
水沢さんの言葉に安藤専務は頭を下げた。
< 147 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop