俺様副社長に捕まりました。

憂鬱なパーティー

納得できないままパーティー当日
用意された服に袖を通し私は本気で驚いた。
生きているうちに世界的に有名な高級ブランドのドレスを
着ることなどないと思っていた。
それが今現実となって鏡に映る自分の姿に言葉が出てこなかった。
黒のシフォンワンピース。背中は大胆なカット。
かろうじて下着は見えないスレスレのライン。
体を優しく包み込むようなシルエットは自然と身体に馴染んでた。
この服を選んだのは恐らく水沢さん本人だ。
だってもし未来が選んでいたのなら絶対にメールで知らせてくるはず。
そしてこのワンピースに合ったパンプスとバッグそしてアクセサリーどのアイテムも
素敵以外の言葉が思い浮かばないほどのアイテムだった。
とても私のお給料じゃ買えないものばかりだ。
だが、はっきり言って憂鬱な気分は拭えなかった。
私の意見など無視し強制的に同伴させられる私にとっていま身につけている物は
偽りの自分の様に思えたからだ。
水沢さんにふさわしい女性に変身させられた自分の姿を暗い面持ちで何度も鏡でチェックしては
ため息を漏らした。
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