俺様副社長に捕まりました。
それでもここまできたらもう腹をくくるしかない。
メイクを済ませ髪の毛も久しぶりにアップにしてこれでもかとチェックをしていると
玄関のドアの開く音がして一気に緊張が走る。
もし似合ってない・・なんて言われたらどうしよう。
緊張したまま玄関までいくとそこには普段仕事できているスーツよりももっとおしゃれで
高級感漂うスーツ姿の水沢さんが立っていた。
家に上がるわけでもなくただ、私を黙って見つめていた。
「あ・・あの・・変ですか?」
何も言わず見つめられるのはちょっと耐えられず質問してみると
水沢さんはほんの少し目を泳がせ
「俺が選んだんだから似合って当たり前だ・・・」
相変わらず冷たい一言が飛んできたが、似合ってないわけではないことに
ホッとした。
「準備が出来ているようなら行くが・・・」
「は・・はい。」
私は部屋の照明を落とすと水沢さんより少しあとに家を出た。

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