俺様副社長に捕まりました。
・・・・・・眠れない
目が冴えて眠れない・・・・
せっかくふかふかのいいベッドなのに眠れない
その理由は・・・
襖を本の少しだけ開けていた。その隙間から光が漏れている。
きっとまだ仕事をしているのだろう
それなのに自分だけがグーグー寝ることが出来なかった。
彼が寝てくれれば・・・・安心して寝れるんだろうけど・・・・
そう思いながら襖に目をやると
別の襖を開ける音がし、廊下を歩く音が聞こえた。
もしかして露天風呂?
入ってくれるのかも
そう思ったら何だかやっと安心できてそれと同時に自分のまぶたが重くなっていた。

それからどれくらい眠ったのだろう。
急に喉の渇きを覚え私はゆっくりとベッドから起き上がった。
そして襖をゆっくりあけると・・・
水沢さんがパソコンを開いたまま一人がけの椅子にもたれながら眠っていた。
こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまう。
声を掛けて和室で寝てもらおうと水沢さんの顔をみて私は言葉を飲み込んだ

「・・・・え?」
そこにいたのは洗いざらしの少しボサボサした髪と黒縁メガネをかけたもうひとりの水沢さんにソックリな水沢さん
だった。
「・・・・うそ・・・」
私は夢でも見ているんじゃないかと自分の頬をつねってみるが・・・夢ではなかった。
もう何がなんだかわからず一人でパニクってしまった。
結局声を掛けることができず私は和室から毛布をとって水沢さんに掛けてあげると
放心状態のままベッドに潜り込んだ。
もちろん眠れるわけなかった。
単に似ているだけにしては似すぎている。
別人だという方が無理がある。
どうして?

結局結論が出ないまま朝を迎えたのだった。

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