俺様副社長に捕まりました。

規約違反

水沢さんがすっと立ち上がった。
私もそれに合わせるように立ち上がり、互いに引き寄せらせるように
向かい合った。
私の目を真っ直ぐ見る水沢さんにドキドキしてる。

やっぱり怒れないよ・・・・
悔しいけど怒りや腹立たしさよりも私が好きになった今目の前にいる彼が本当の水沢尊だったことが
うれしかった。
いつも会いたいって思っている時に現れて
私の話を黙って聞いてくれたぶっきらぼうだけど優しい人・・

「私も・・・好き・・・スーツ姿のあなたじゃない、ボサボサ頭でおしゃれにはてんで無頓着
それでいて私と趣味が同じで、私の話にいつも耳を傾けてくれる目の前にいるアナタが好き」
「ははおしゃれで無頓着か・・・たしかにそうかもな・・・」
「あっ・・・ごめんなさい。でも私に2役やってたことを内緒にした事はショックだし
一発殴ってやりたいって気持ちも正直ある・・
でも私も本人を目の前にして副社長の愚痴を言ってた・・・だからこれでおあいこ」
水沢さんがくしゃくしゃの笑顔で私との距離を縮めると手を伸ばし私の頭を
ゆっくりとなでた。
なんだろう・・・頭を撫でられるだけで身体の中が熱くなって
すごく幸せな気持ちになる。

だけど・・・・ふと頭の中をある言葉がよぎった。

私は家政婦
< 71 / 185 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop