俺様副社長に捕まりました。
私は決して若くないし結婚を意識していないわけじゃない。
次に恋愛するときは結婚を意識した付き合いをと思っていた
だって結婚ってやっぱり好きな人としたいじゃない。
だけど・・・私が好きになった人はどう考えて家政婦紹介所の規約にはお客様との恋愛は御法度。
もし、お客様との恋愛がバレたら解雇され水沢さんも利用できなくなる。
それに考えてみればいくらレンタル屋で出会ったからといっても彼は
山岡物産の副社長でいずれはその上を行くであろう人。
そして私はちょっと前までは秘書だったかもしれないけど
今は家政婦
あまりにも違いすぎる。
それに副社長ともなれば好きだからという理由だけで結婚できるわけではない。
その肩書きに見合った女性との結婚は不思議じゃない。

もハードルが高すぎる。
もう頭の中はいいことや悪いことがごちゃごちゃになっていた。

でも・・・不安と同じくらい水沢さんのことが好きだった。
本気で好きになると周りが見えなくなるって言う人がいるけど
それって当たってる。
そんなことを思いながらもう一度水沢さんを見つめた。
「本当はあんな面倒くさい真似なんかしないでこうやって距離を縮めたかった。
・・・もう抱きしめていい?」
こんなに悩んでるのにこの人の私を見つめる目を見てしまうと
抑えが効かなくなりそうだった。
「ふふっ・・それ・・・人に確認してするものなの?」
水沢さんの口角が上がるとフッと笑った。
「急に抱きしめたら一発殴られるんじゃないかって思ったから・・・確認」
やっぱり・・・あなたは意地悪な人
そんな目で見つめられたら・・・どうなってもいいって思っちゃうじゃない。
悔しい・・・こんなに・・・こんなに私を好きにさせて・・・
だから・・・・水沢さんのパーカーの襟元をぐっと掴んだ。そしてつま先立ちのまま
私から彼にキスをお見舞いした。
唇を離すと口角を上げ上目遣。いでこういってやった
「謝らないし、なかったことにも・・しない」
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