俺様副社長に捕まりました。
触れられる前までは理性が働いてた。
でも酒を飲んで酔っ払った勢いで・・・じゃない。
お互いに同意の上で私は彼と愛し合った。
後悔なんかしてない。
散乱した2人の服や下着が昨夜の甘い夜を思い出させた。
胸の奥がギュッと掴まれるような気持ちになる。

所長からお客との恋愛は禁止と聞かされたとき
失恋したばかりだったしそんなことあるわけがない。
私には関係のない話だと思ってた。
だけど、今こうやって自分がお客と一線を超えた事で所長がなんで
恋愛を禁止にしたのかわかった。

家政婦という仕事は依頼主の身の回りの世話をするのが一般的な仕事。
依頼主に代わって家事全般をすることでそれに見合ったお金が発生する。
そこに恋愛が入るとこのシステムが崩れる。
家政婦と依頼主という関係であれば仕事として割り切れる。だけど・・・・
依頼主を好きになると
もう依頼主じゃなくて好きな人にかわってしまう。
好きな人の世話をしたいって気持ちが芽生えるとどこまでが仕事で
どこまでがプライベートなのか区別がつかなくなる。
普通彼氏の世話をしたらお金をもらう?
もらえないよね・・・・

だから所長は依頼主との恋愛を禁止した。

水沢さんとこうなったことを後悔していない。
すごく好きだしできることなら離れたくないって思ってる。
だけど・・・私は好きになる相手を間違えた。
私は寝ている水沢さんの髪の毛をゆっくりと撫でた。
「ん・・んっ・・・も・・も」
私にしか見せない無防備な顔に触れようとしたがその手を引っ込めた。
もっと一緒にいたい・・・
もっと彼に触れたい・・・愛されたい
だけど一緒にいることが必ずいいとは限らない事を知った今
彼を困らせることなどできなかった。
私は水沢さんに気づかれないようそっとベッドを抜けると急いで着替え
足早にマンションを出た。

そしてその足で私は竹原家政婦紹介所へと向かった。
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