俺様副社長に捕まりました。

決断

水沢さんのマンションを出るとその足で私は竹原家政婦紹介所へと向かった。
所長室をノックそようとする後ろから声をかけられた。
「あら・・・小野寺さんおはよう。私に何か用?」
「は・・はい」
ぎこちなく挨拶すると所長室へと促された。
所長は何か用事があったようで直ぐに終わるから椅子に掛けて待っててと言われ
3人がけのソファーに腰を下ろした。
ここに座るのはこれで3回目。
でもそれも今日で終わり・・・・

暫く誰かと電話をしていたがそれも終わり一人掛けのソファーに座った。
「お待たせ。で?お話ってなにかしら?」
笑顔の所長に私は
「勝手で申し訳ないのですがここを辞めさせてください」と頭を下げた。
所長は少し驚いた様子だった。
それからタブレットで私の情報ファイルを広げた。
「今担当してる依頼主さんは・・・水沢さんよね。
これを見る限り契約もずっと自動更新されててクレームもないけど・・・
何かお客様とトラブルがあったの?」
の一人暮らしの男性宅を担当しているため所長もトラブルがあったのではと心配
しているようだが私は首を横振った。
「トラブル等は一切ありません。お客様とはほとんど・・・顔を合わせることが
なかったので・・・」
「じゃ~何がいけないの?いきなり辞めるだなんて・・・担当を変えるって方法もあるのよ。
その場合お客様の了承を得ないといけないけど・・・・理由はなに?」
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