俺様副社長に捕まりました。

「頼むよ竹原さん。彼女もうここを辞めたし、俺も家政婦を頼んでいない。
桃花が・・・彼女が何をしているかどこにいるか・・・知りたいんだ」
だが竹原さんは口をつぐんだままで険しい顔で俺を見た。
「彼女が何のためにあなたの前から姿を消したかわかる？
どんな思いで決断したか・・・・・」
わかってる。
気を遣う彼女のことだ・・・俺に副社長という肩書きがなければ良かった。
だけど彼女は俺の家、俺の仕事、俺の将来を考えて
俺に相談なしに姿を消した。
黙って・・・何も言わずに
桃花にこんな真似をさせた自分に苛立ちを隠せなかった。
だけど・・・俺ってそんな薄情な男に映ったのか？
副社長だからそれに見合ったどこかの金持ちの女と結婚すれば俺が幸せになるとでも
思ったのか？
副社長と家政婦っていうくくりで人を評価するような男に見えたのか？
俺は純粋に桃花が好き・・・なんだ。
余計な気など使わなくても俺に全部委ねてくれれば良かった・・・・
でも桃花は自分が離れる事で全てうまくいくと考えた。