君の隣は私の指定位置
第1章
『-よし、次!』
-ピーッ
ホイッスルを鳴らして合図を出すと、目の前を男子が走り抜ける。
-キュッキュッ
走り抜ける音と共に聞こえてくるのは、バスケットシューズのスキール音。
「蓮ーっ!スクイズとタオル、よろしくなー」
走って反対側にいる、キャプテンが叫ぶ。
『おっけー』
キャプテンに向かって、グッと親指を突き出す。
体育館の重い扉を開けて外に出る。
向かう先は、手洗い場。
そこに部員全員分のスクイズがある。
サーッとスポーツドリンクの粉を入れて、氷を入れて最後に水を入れる。
それを何回か繰り返して全員分を作り終えた。
そして、それをタオルと一緒に一人一人に手渡しする。
最後にキャプテンへ。
『はい、柊哉』