君と過ごした1ヶ月





え、なに怖い。


なにがあってもいいようにナースコールに手を伸ばす。


すると



「あの坊主め!夏希大丈夫か!?あいつになにかされたりしとらんか?」



怒り狂ったように突然叫びだすおじいちゃん。


ちょっと安心。


ナースコールの出番を出すことなく手を降ろす。



『なにをそんなに怒ってるの?』


「よくぞ聞いてくれた!」



げっ、聞くんじゃなかった……。


そんな私にお構いなくおじいちゃんは憎々しげに話し始めた。



「あれはわしの入院1日目のことじゃった―――――。」


< 10 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop