君と過ごした1ヶ月
え、なに怖い。
なにがあってもいいようにナースコールに手を伸ばす。
すると
「あの坊主め!夏希大丈夫か!?あいつになにかされたりしとらんか?」
怒り狂ったように突然叫びだすおじいちゃん。
ちょっと安心。
ナースコールの出番を出すことなく手を降ろす。
『なにをそんなに怒ってるの?』
「よくぞ聞いてくれた!」
げっ、聞くんじゃなかった……。
そんな私にお構いなくおじいちゃんは憎々しげに話し始めた。
「あれはわしの入院1日目のことじゃった―――――。」