君と過ごした1ヶ月





『え…、明日家に帰るって、なんで?』



それは来て六日目のことだった。


いつものようにおじいちゃんの病室を訪ねた私に待っていたのは退院するという報告だった。



『よかったねー、じゃあ明日にはもう自分の家に帰れるんだ?』


「そうだぞ、あー入院生活もこれで終わりかの。……おっと嬉しすぎて涙がっ」


『……目薬ささなくていいから』



でもそっかぁ、おじいちゃん退院できたんだ!良かった良かった。


そんなことを考えながら着いた遥の病室。

いつも通りドアをコンコンと二回ノックする。


あれ、返事がしない?入ってもいい、よね?



『…失礼しまーす』



悪いことをしているわけじゃないけど声はなぜか小さくなる。


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