君と過ごした1ヶ月




足を踏み入れた私が見たのはベッドの上で目を閉じている遥の姿だった。


遥、寝てるのかな?


起こさないようにとそっと近づいた私の目があるものに引き寄せられた。


これって……カメラ?


病室にある小さな机の上のカメラは詳しくは知らないけど学校でよく集合写真とか撮る人が使ってるのに似てる。


遥、写真撮るの好きだったんだ。


どんなの撮ってるだろうと気にはなったけど人の物を勝手に触るのはいけない気がしてそのまま静かに病室を後にした。


そうだ、お母さんにおじいちゃんが退院すること言わないと!


遥には明日言えばいいよね?


けどそう考えて帰った私にお母さんが言った言葉は



「じゃあ帰るのは明日で大丈夫ね」



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