君と過ごした1ヶ月





『え…、明日家に帰るって、なんで?』



私がだした声は思ってたより小さくて


私に背を向けて洗い物をしているお母さんには聞こえていない。


そのことに無性にイライラして思わずお母さんの腕を掴んで問い質す。



『なんでそんな急に決めるのよ!』


「ちょっとお皿割れたらどうするの……なんでって、初めから一週間ぐらいって言ったじゃない」



それだけ言ってまた洗い物を始めたお母さんに背を向けて私は慌てて駆け出した。


今すぐ遥に会いたい


その想いが私を走らせた。



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