君と過ごした1ヶ月







「そうか、そんなことが……」



おじいちゃんに断られたいきさつを話すと少し考え込むような仕草をした。


さっきの笑顔はすっかり影を潜めている。


おじいちゃんが暗い表情をしているのがなぜか怖かった。



『おじいちゃん?』


「うん、いや………そうだのー。花火大会に行くのは無理だろうが花火は打ち上げだけが花火じゃあないじゃろ」



打ち上げだけが花火じゃない………。


そうか、花火のところに遥がいけないから花火を遥のところに持っていけばいいんだ!


目の前の霧が急に晴れたような気がした。



『おじいちゃん、ありがと!』


「ちゃんと許可は取るんじゃぞ」



早速腰を上げた私の背後からのおじいちゃんの呼びかけに『分かってる!』、そう応えて家から飛びだした私は気づかなかった。








「あの坊主――――。」



再び暗い表情で呟いたおじいちゃんに。







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