君と過ごした1ヶ月
消えては咲き、消えてはまた咲き
そんな花火を見ていた。
綺麗だけどどこか儚くて寂しくて。
遥をそっと窺うとぶつかると思っていなかった視線がぶつかった。
『え、え!?』
「夏希、はさ」
思いもしなかった真剣な声にわたわた慌てると、気が抜けたように遥はふっと息を入れるように笑った。
「花火、続けるか」
今のは誤魔化されたのか
なにか釈然としない気持ちを抱え、もうとっくに消えていた手持ち花火を水を張ったバケツにいれ新たに火をつけた。
「てか夏希はあっちの花火大会に行かなくて良かったのか?あんなに行きたがってただろ」
『え、だって遥いないと意味ないし』
なにを今更なことを
火がようやくついた花火から顔を上げ遥を仰ぎ見ると同時に頭にチョップが降ってきた。