君と過ごした1ヶ月
『凶暴ーっ横暴ーっ理不尽ー!』
「うるさい、どっちが悪いか考えろ。この天然たらし」
どう考えたって理不尽なのは遥だ!
『……でもやっぱり私はこっちで良かったなって思うよ、花火が二つもあるんだよ?私たちだけ特別な感じがしてお得だよね!』
「――――そうだな」
ふわっと笑った彼は綺麗で華やかで
なにかが分かった気がした。
遠くの花火大会もいつの間にか終わり、こちらも残すは線香花火のみとなった。
やっぱり最後はこれ、定番だしね。
『じゃ遥っ、これで勝負しよ!』
「良いけどなにを勝負する気?」
『うっ、えーと……負けた方が一つ言うことを聞く!とか』
「正直なんにも考えてなかっただろ?」
遥の意地の悪い突っ込みに『うるさい!』と返しスタンバイする。