君と過ごした1ヶ月
『よーい、スタート!』
かけ声と共につけられた火は火薬を燃やし小さく火花をあげる。
綺麗よりも可愛いが似合うその光景に勝負なんて忘れて魅入る。
やがて先にできた赤く丸い玉がぽとっと地面に落ちた。
『あー…、可愛かったのになー。』
「……夏希、勝負忘れてないよな?」
『あ゛』
遥彼方へ追いやられていた勝負を思い出したと同時に遥の赤い玉も地面へと落下した。
-----てことは。
「なに命令しよっかなー」
ですよねー。
自らの運命を悟ると同時に肩が自然とたれた。