君と僕等を、繋ぐ線。










『桜沢さん、秋さんとの対談の時の事覚えてるって言ってましたよね。 秋さん、対談で言ってたんですよ。 『ワタシはネットの力を信じてる』って。 桜沢さんも『オレも』って。 だからワタシも信じてみようと思って。
だってワタシは、ただの雑誌記者です。 映画製作会社にもテレビ局にも、知り合いはいてもコネなんかありません。 ワタシにはコレしか思いつきませんでした』







畑田は、オレに歌わせて手柄を立てたいだけなのかもしれない。








それでも畑田は、秋とオレの夢を本気で叶えようとしていた。








秋が喜ぶであろう、秋が1番納得するだろうやり方で。








畑田の気持ちが、素直に嬉しかった。







のに








「正確には『オタクとネットの力を信じてる』だったけどな」








畑田が相手だと、謎に悪態をつきたくなるのは何でだろう。








『そこ、敢ての割愛ですよ』








畑田は、こんなに捻くれたオレに負けじと返事をしてくるからだ。
< 122 / 137 >

この作品をシェア

pagetop