君と僕等を、繋ぐ線。










「・・・・・・・・・・・・・・・・ゴメン。 平塚さんの気持ちは有難いけど、遠慮してくれないかな。 事務所の人間が関わって、事務所の偉い人の耳に入って、その人たちに動かれたくない。 だって、上の人間なら何らかのコネがあるっしょ。 そうすると、『ネットの力』ではなくなってしまう。 オレの音楽活動と引き換えに秋の小説を映画化するのは、秋の本望じゃないはずだから。 寝る時間を削ってまで英訳してくれた畑田さんにも失礼。
・・・・・・・・・・・・・・・オレ、もう1回ネットの力を信じてみたいんだ。 それでダメなら仕方がない。 秋の小説にもオレの音楽にも魅力がなかったって事だから」








『電話、戻して』と手の上に置くよう、自分の掌をマネージャーにみせると








「・・・・・・・・・・・・・・・ホント、変なトコが頑固」








マネージャーが呆れた様に笑って、オレに電話を手渡した。








そしてまた畑田との会話再開。
< 126 / 137 >

この作品をシェア

pagetop