君と僕等を、繋ぐ線。










「・・・・・・・・・・・・・・・・・実を結ぶかな。 畑田さんの作戦」







畑田に聞いたところで正解なんか出るはずもない質問をする。








『桜沢さん、ネットの力を信じるんじゃなかったんですか?? 桜沢さんの音楽にも秋さんの小説にも、人の心を動かす力があります。 良作にはネットの力が働くはずです!!』







そう言って畑田が、オレの音楽や秋の小説を褒めてくれるのは有難いが








「・・・・・・・・・・・・・・・・ハードル上げんなって。 そんな事言って、もしどうもならなかった時、オレに掛ける言葉あんのかよ、オマエ」








妙なプレッシャーかけんなっつーの。








『・・・・・・・・・・・・・・・・『どんまい』ですね』








・・・・・・・・・・・・・・そんなとこだろうと思ったよ、畑田。








「・・・・・・・・・・・・・・・・シゴト中だろ??畑田さん。 ごめん。 戻っていいよ」








『あ、はい。 では、失礼致します』








業務的な締め文句を言って、畑田が電話を切った。













畑田がネット上にばら撒いた種は、ドコかで花を咲かせて実をつけるだろうか。







もし、花も咲かず実もつけなかったとしても、それでもイイんだ。







秋の小説が、1人でも多くの人間に読んでもらえるのなら。







その中の誰かが、秋の才能を認めてくれるのなら。







秋は報われる。

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