君と僕等を、繋ぐ線。
「最高ですよ!! めっさ好きです、この曲!! ヤバイッス!!」
そう言って、覚えたてのサビのメロディーを鼻歌で『ふんふん』言いながら歌う畑田。
嬉しかった。 畑田が喜んでくれて、嬉しかった。
「・・・・・・・・・・・・・・ありがとうな、畑田さん。 畑田さんのおかげで、秋とオレの夢が叶ったよ」
そんな畑田の手を取って、自分の両手で包み込む。
秋とオレの夢を実現させてくれた畑田に、もう憎まれ口を叩く気はない。
畑田には、感謝しかない。
「・・・・・・・・・・・・・・ワタシのおかげなんかじゃないですよ。 みんなのおかげ。 ネットを見て賛同してくれた全員のおかげです。
それに、ワタシの方こそ、ありがとうございました。 ワタシの夢も叶いました。 ワタシは、歌を歌う桜沢悠斗の取材がしたくて出版社に入ったんです。 この曲の発売が決まったら、ワタシに取材させてください!!」
畑田がオレの手を握り返した。
「・・・・・・・・・・・・・・・今からすれば?? 取材。 曲の変更はないし、折角来たんだから一仕事してけば?? 聞きたい事があれば何でも聞いて。 全部応えるよ」
「取材、ワタシでイイんですか??」
「うん。 てゆーか、畑田さんがイイ」
記者に畑田を指名すると、畑田は嬉しそうに、でもちょっと泣きそうになりながら笑った。