君と僕等を、繋ぐ線。
「・・・・・・・・・・・・・・」
親父もオカンも簡単に首を縦には振ってくれない。
無言の時間が流れる。
暫くして、親父の隣で顔を顰めてしたオカンが口を開いた。
「・・・・・・・・・・・・悠斗が小さい頃は、悠斗の夢、応援してたのに。 いつからだろう。 悠斗の夢を否定し出したのは。 ・・・・・・・・・・・・でもね、分かってほしいの。 それは悠斗が心配だからなのよ」
オレにギターを持たせる事も嫌がり、買ってくれなかった母親の目に涙が溜まっていた。
「・・・・・・・・・・・うん」
オカンの苦しそうな表情を直視出来ずに俯いた。
「・・・・・・・・・・・・・ワタシの親もね、凄く厳しい人だった。 ワタシ、本当はファッション関係の学校に行きたかったのよ。 でもお父さんに『そんな才能がモノを言う様な安定していない世界は許さない』って言われて、泣く泣く大学に行って教師になった。 今ならお父さんの気持ちが分かる。 だけど、あの時に『ワタシは子どもの夢を応援出来ない様な親にはならない』って思ったの。 思ったのにね。 お父さんみたいな親になっちゃった」
『はぁ』オカンの苦しそうな溜息が聞こえた。
「・・・・・・・・・・・・・応援、しましょうよ。 お父さん」
オカンが親父の腕を揺すった。
「・・・・・・・・・・・・・いいか、悠斗。 オマエはオレたちの言う事を聞かずに、自ら茨の道に足を突っ込むんだ。 オレたちに迷惑をかけるのも、甘えも許さない。 ・・・・・・・・・・・・でも、協力はするから。 オレたちに何か出来る事があれば言うんだぞ。 どうにかして、何とか一旗揚げろ」
親父もオカンも絶対に納得はしていない。 2人共、眉間に皺を寄せていたから。 でも、その思いを押し殺してオレを応援しようとしてくれている。
オレは、なんて親不孝者なのだろう。
でも、両親の気持ちが嬉しかった。
「頑張るから。 絶対旗揚げる。 100本揚げる!!」
親の気持ちに応えたい。 悲しませた分、親孝行がしたい。