君と僕等を、繋ぐ線。
「桜沢悠斗です。 こちらこそ、宜しくお願いします」
秋と握手を交わして、2人でソファーに腰を掛けた。
今日の対談は、『対談』というだけあって、記者の質問等はなく、2人で話を進めなければならない。
もっと秋の資料、ちゃんと見ておけば良かった。
秋の事を何も知らない上に、自分の好みなカンジの秋に緊張して、何を喋って良いのか分からない。
そんなオレを見兼ねてか
「桜沢さんって、そのまんま『サクラザワ』さんなんですね。 『オウサワ』さんて読むのかなって最初思ってました」
秋の方から話掛けてくれた。
「秋さんも『アキ』じゃなくて『シュウ』さんなんですよね」
一瞬だけ資料を見ていたから、名前の読み方だけはかろうじて覚えていた。
「ワタシは本名じゃないんですけどね」
--------------------後で本名教えてもらおう。
今思えば、可愛くてカンジの良い彼女に、この時オレは一目惚れをしたのだと思う。