金髪の不良君とクラス委員をやることになりました!!
「つーか、俺、針とか使ったことねぇし」
やるか、とは言ったものの、御堂君は想像以上に不器用だった。
「しょ、小学校の授業で習わなかった?」
「習ったかもな。でも、全然覚えてない」
「そっかぁ。じゃあ、あたしが教えるから一緒にやってみようか?」
ニコッと笑って言うと、御堂君はほんのちょっぴりめんどくさそうに頷いた。
それからしばらくすると、椿君が集まりから戻ってきた。
「ねぇ、朝陽って小学校に通ってたよね?」
椿君は朝陽君をジッと見つめて表情を変えずに問いかける。
『針とか使ったことねぇし』
その御堂君の言葉通りの展開が待っていた。
「通ってたに決まってんだろ。つーか、お前も同じ小学校だっただろ」
「にしたって出来なさすぎでしょ」
「うるせぇな。やろうと思えばできんだよ」
「じゃあ、やる気だしてよ。玉結びができないとか相当ヤバいよ」
「そんなの出来なくたって生きていけるだろ」
「朝陽って器用なのか不器用なのか分かんないよね」
御堂君と椿君のそんなやりとりに思わずクスッと笑みが漏れる。